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アンダルシアのお酒

アンダルシアは闘牛とフラメンコ発祥ですが、忘れはいけないものがあります。それはシェリー酒です。

シェリー酒と呼んでいいのが、アンダルシア地方カディス県の町ヘレス周辺の三角地帯(エル・プエルト・デ・サンタ・マリーア、サンルーカル・デ・バラメーダ、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ)とその周辺認定地域だけで作られるワインのみです。私たちは「ティオ・ペペ」がシェリー酒としてよく知っていますが、元々はヘレス・デ・ラ・フロンテーラ(Jerez)はかつてXerez(シェレス)と呼ばれていて、英語では「シェリー」と呼ばれるようになりました。スペインに行ったときに『シェリー』と言っても伝わらないこともあるので、『ビーノ・デ・ヘレス』(Vino de Jerez)ヘレスのワインという言い方になります。(ヘレスだけでもOK)

シェリー酒製造過程

シェリーは、チェリーリキュールや蒸留酒に勘違いされることがありますが、100%ブドウを原料とした白ワインです。 透明に近い黄色から琥珀色、茶褐色、黒い色をしたものなどありますが、シェリーはどんな色をしていても【白ワイン】に分類されます。

原料となる白ブドウはパロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテルの三種。この地域独特の石灰分を多く含んだアルバリサと呼ばれる土で作られています。普通の白ワインと同様に、収穫されたブドウはワイン工場に運ばれます。(甘口や極甘口を作るときは天日干しされレーズン状になってから処理されることもあり)

アルコール発酵によってアルコール度が11~12%になると、酵母の栄養分である糖分が少なくなり、アルコール発酵が終了します。

アルコール発酵の終わった白ワインの表面には、フロールと呼ばれるシェリー特有の酵母膜が現れ、これがシェリー特有の味を作っていきます。 フロールとはスペイン語で「花」を意味していて、その由来は形成された産膜酵母が白い花のように見えるからです。または花が咲く春と秋に酵母の活動が活発化するから、という2つの説になっています。

辛口タイプ

シェリー酒の辛口タイプは、ビノ・ヘネロソと呼ばれています。熟成法によって「フィノ」と「オロロソ」に大別されいます。他にはマンサニージャ、アモンティリャード、パロコルタードなどがあります。

モストと呼ばれるブドウ果汁はアルコール発酵後、試飲によって分けられて、やさしく繊細な味のものはフィノ用に、ボディのしっかりしたものはオロロソ用などにまわされています。

酒精強化時にフロールの成育限界(アルコール度数18%)を超えないように調整されたものがフィノ、超えるように調整されたものがオロロソとなっています。

フロールによって表面を覆われたまま熟成される(生物学的熟成)フィノは、酸素と遮断されるので薄い色調で繊細な味わいになっています。 それに対して、オロロソはフロールをなくすことで酸素と触れる熟成(酸化熟成)をさせています。オロロソの色は琥珀色になって独特の芳香を持つようになります。

アモンティリャードはフィノとしての生物学的熟成を経験した後に、アルコール添加によって18度以上に調整されて、酸化熟成をしたタイプとなります。 フィノやマンサニージャ、アモンティリャードには、フロールに由来する酵母の、キレのあるスパイシーな香りが含まれていますが、オロロソにはそれがありません。その分残糖度がわずかに高く、味わいもどっしりとしたものになっています。

甘口タイプ

極甘口タイプは、ビノ・ドゥルセ・ナトゥラルと呼ばれていて、ペドロ・ヒメネス、モスカテルと言う2つのタイプがあります。どちらも同名のブドウ品種をソレオ(天日干し)したものから作られています。

天日干しされて、レーズン状になったブドウから絞られる果汁は、非常に糖度が高いため、酵母はほとんど活動できません。

発酵があまり進んでいない状態にアルコール添加をして樽に詰められて、熟成、瓶詰めされます。(樽熟成をしないフレッシュな状態で瓶詰めされることもある)

上記の辛口タイプと極甘口タイプをブレンドして作られる甘口タイプは、ビノ・ヘネロソ・デ・リコールと呼ばれて、ミディアムやクリームといったタイプがあります。それぞれ、ブレンドされるシェリーの組み合わせによってタイプ分けされています。

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タイプの例

  • アモンティリャード+ペドロ・ヒメネス→ミディアム
  • オロロソ+ペドロ・ヒメネス→クリーム
  • フィノ+MCR(濃縮葡萄果汁)→ペールクリーム

シェリーの熟成は、ボデガと呼ばれる貯蔵熟成庫(ボデガという言葉はワインメーカー自体、個人のワインセラー、酒屋にも使われる)で行われます。

樽に移されたシェリーは「ソレラ・システム」という独特の方法で熟成されます。段々に詰まれた樽から出荷するときには、一番古い樽から取り出していき、減った分をより新しい樽から補充していきます。決して一度に大量に抜いたりすることはしません。少しずつ取り出されて、補充されていくため、味は概ね一定となります。

一番古い樽には焼き鳥屋のたれと同じように、かなり古いものが少量混じっていることになります。最終出荷樽をソレラといい、熟成途上樽をクリアデラといいます。 熟成期間は最低でも3年、長いものでは100年以上に及ぶこともある非常に長命なワインです。ちなみに沖縄の泡盛でも、古酒を作る際には同じ方法が取られています。

熟成された土地での区別

シェリーは他のワインと違って、どこの土地のブドウであるか?!ということよりも、「どこで」、「どのように」熟成されたかのほうが重要視されてます。辛口タイプのフィノとマンサニージャは、ほとんど同じ製法であるにもかかわらず、熟成された土地の違いで区別されています。

フィノ

  • ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ
  • エル・プエルト・デ・サンタ・マリー

マンサニージャ

  • サンルーカル・デ・バラメーダ

細かい製造法・熟成法の違いによって、上に載せた他にも約20種類の製法と1000種類ものラベルがあるので、非常に多彩な味わいをもつワインともいえます。

日本人に一番なじみがあるのは辛口のフィノタイプで、その中でもティオペペが特に有名です。

シェリーのソムリエにあたる人をベネンシアドールといいます。 樽の中のシェリーをグラスに注ぐために使用する長い柄杓のような道具をベネンシアといいます。ベネンシアを使って、高い位置から曲芸のようにグラスに注ぎます。本来はシェリーを作る職人たちが、熟成中のシェリーの状態をチェックするときに使うためのものですが、今では結婚式やパーティーでベネンシアのサービスをしたり、シェリーのプロモーションをするときにも使われています。

産地と有名メーカー

ヘレス・デ・ラ・フロンテーラゴンサレス・ビアス社

  • ARバルデスピノ社
  • ドメク社
  • ガルベイ社
  • サンデマン社
  • クロフト社

エル・プエルト・デ・サンタ・マリーア

  • オズボーン社
  • カバジェーロ社

サンルーカル・デ・バラメーダ

  • イダルゴ・ラ・ヒターナ社
  • バルバディージョ社
  • アルグエソ社

主なシェリータイプ

基本的なタイプ

  • フィノ
  • アモンティリャード
  • オロロソ
  • ミディアム・アモンティリャード
  • クリーム
  • ペドロ・ヒメネス
  • マンサニージャ
  • モスカテル

希少価値の高いシェリー

  • フィノ・アモンティリャード
  • アモンティリャード・フィノ
  • パロ・コルタード
  • ドス・コルタードス
  • トレス・コルタードス
  • マンサニージャ・パサダ
  • マンサニージャ・アモンティリャーダ
  • アモンティリャード・デ・サンルーカル
  • ミルク
  • ブラウン
  • イースト・インディア

非伝統的なタイプ

  • ミディアム
  • ゴールデン(名称は古い)
  • ペール・クリーム
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